ゴルフゲームの起源については オランダ、イギリス、フランス、イタリア、中国など 様々な説があるが 定説はない。ゴルフ (ホッケーのようにも見える) をしていたのではないかと 思われるような 古い絵画が ヨーロッパの各地にある。歴史家の中には 古代ローマ帝国時代に 先の曲がったスティックで 羽毛を皮で包んだボールを打って遊んだ paganica と呼ばれたゲームが ゴルフの起源で、それが ローマ帝国の勢力拡大と共に (紀元前に) ヨーロッパの各地に広がったと言う人も居り、それによれば ゴルフの起源は 紀元前まで遡ることになる。また、中国では 8世紀から 12世紀に 「捶丸」 (ツイワン) と呼ばれる球技が行われており、これがゴルフの原型に当たるという説もある。さらに、12世紀に 現在のセントアンドリュース・オールドコースのあった所 (スコットランド) では、石を 野ウサギの巣穴に入れて遊んでいたそうで、それがゴルフの原型だという説まである。
しかし、現在のゴルフゲームに近い形態のゲームは オランダが発祥地で それがスコットランドに 後日渡り 多くの人によってプレーされるようになり、それが ゴルフの起源であるとする説が もっともらしいようだ。当初 オランダで 1300年代に行われていた時には 各ホールの距離が 1000ヤードもある 4ホールのコースで プレーをしていたという記録があるが、当時は 羽毛を中に詰めた皮製のボールを使ってプレーをしていたそうで、そのゲームが spel metten kolve (または kolven) と呼ばれており、その後、それが kolf と呼ばれるようになったと言う。そして、さらに そのゲームが スコットランドに渡って golfe/golf と呼ばれるようになった という説である。
1452年にスコットランドで ゴルフボール 10個が 10シリングで売られていたという記録があり、また、1457年に スコットランド政府が 国民にゴルフ禁止令を出したものの、国民は それを無視してゲームに興じた という話は有名だ。とは言っても 1850年に 英国にあったゴルフクラブの数は 僅か 24 に過ぎない。それが、その後の 50年の技術革新 (道具を 大量生産する技術と 鉄道網の発達) と共に 大きく変貌した。1900年までには 1850年の 50倍を越す 1200 以上ものゴルフクラブが出来ていたそうだ。
この間に コースも大きく変化した。第 1回全英オープンが 1860年に行われたが、この時は 12ホールのコースを 3日間、合計 36ホールで争っている。昔のゴルフコースは その距離、大きさ、ホールの数などが まちまちだったが、ホール数が少なく、距離の短いものが 多かった。
世界各地に ゴルフが普及し始めたのも 1800年代の後半からのことだ。アメリカには 1887年に 最初のゴルフコースが作られたが 僅か 3ホールのコースで、それが その後 6ホールのコースにまで 広げられた。また、最初のゴルフクラブは St. Andrew's Golf Club of Yonkers というクラブで、1888年に設立されている。
一方、日本にゴルフコースが出来たのは それから さほど月日の経っていない 1901年で、神戸の六甲に 4ホールのコースが オープンし、それが 1903年には 9ホールのコースとなり、同時に 日本初のゴルフクラブ 「神戸ゴルフ倶楽部」 が結成された。
なお、近代ゴルフのベースを作った 全英ゴルフ協会の歴史は、その前身である Saint Andrews Society of Golfers (創立 1754年) にまで遡るが、1834年に Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews という 現在の名称に変更され、現在に至っている。R&A と省略して呼ばれるが、近年は アメリカの USGA と共に 世界基準となる ゴルフルールを作成するなど 名実ともに ゴルフの総本山となった。
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